reverse【完】
会が進むにつれてどんどん盛り上がっていく

もともとウチの営業課は
元気でノリのいいやつが多い


そんな中、隣に来た部長と
酒を飲みながら仕事についての話をしていた



誰かに呼ばれて席を立つ部長



入れ替わるように部長と反対側に座るエミが話しかけてきた



「早川課長って、結婚されてるんですね」


「え?あぁ、してるよ」 


「……どんな奥さんなんですか?」


そんなこと聞いてどうするんだと思った

アルコールの回った頭に
美咲の顔が浮かぶ


普段会社の人間には、
家族のことを話す方じゃないのに
この日の俺は饒舌だったと思う……



「ん~。そうだな…最高の女だよ」


「……最高っていうと?」


「顔も、スタイルも、中身も全部」


「……愛してるんですね~」


そうだ。と肯定するのがなんとなく気恥ずかしくて
曖昧に笑って済ました


「………」


そんな俺を、無言で見つめるエミ

別に引きたきゃ引けばいい

美咲はどこに出しても恥ずかしくない
最高の女なんだから


「……羨ましいです」


「……え?」


小さく聞こえた声に反応すると

エミは、他の男ならやられてしまうであろう
笑顔で



「課長みたいに愛してくれる人に出会いたいです!」


その無邪気な笑顔に
エミならすぐに現れるはずだと思った



そんなエミに微笑み返しながら
美咲が、俺と出会ってよかったと
思ってくれてることを願った




















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