reverse【完】
放心状態の俺に
エミは昨日の状況を話し始めた


「課長、昨日ものすごく酔われてて…。帰りのタクシー待ってる時もフラフラで私が声掛けたら…急に抱きしめてきたんです。それで…そのまま一緒にタクシーに乗って、課長このホテルに降りたんですよ?私も課長のこといいなって思ってたから……」


エミはそこまで言って頬を染めた



俺だってガキじゃない


ベッドの上に
裸で寝ている二人という現状に
それから何があったか分からないわけじゃない



何てことをしてしまったんだ

いくら酔って記憶がないとはいえ

他の女と一晩共にしたなんて……


ましてや体を重ねてしまっただなんて……



「課長?顔真っ青ですよ?具合悪いですか?」



二日酔いと勘違いしたエミは
上体を起こして俺を覗き込んでくる


「いや…。すまなかった」


目の前の何も身につけていないエミを
直視できずに目を逸らしながら謝罪した


「……。謝らないでください。嬉しかったから」


「………」


「昨日は…凄く激しかったですよ?」


「……!!!!」


視線をエミに戻すと
エミの胸の上に付いた赤い跡が目に入った


それを見て
小さな期待も打ち砕かれた…



俺は本当に



美咲以外の女を抱いてしまったんだ……






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