reverse【完】
――――――――
――――――
――――
――


当たり前に朝が来て

当たり前に会社に向かった



出社したエミを
誰もいない会議室に呼び出して

もうこんなの止めると伝えた




「……奥さんと何かありましたか?」



分かっているはずなのに


「………」


「……約束破ったからですか?」


そう悟っているはずのエミ


でも、だからじゃない


「悔しかったんです。私は…課長が欲しかった。」


そんなことは、どうでもいい


「約束破ってすみません…」


エミの気持ちなんて
俺には考えることは出来ない


目の前で泣くエミ
俺にはどうしようも出来ない


「俺には…美咲しかいらないから」


「……はい」


俯き涙を流すエミ

俺は会議室を出ようと
ドアに手をかけた…





「……もう一つ」




< 53 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop