reverse【完】
エミに背を向けたまま
その続きを待った
「謝らなければいけないことがあります」
「………」
まだ何か、美咲に言ったことがあるんだろうか
「……あの日。歓迎会の後…」
思い出したくもない、記憶がないにしても俺が美咲を裏切ったあの夜のこと
「………何もなかったんです」
…………は?
「……嘘なんです。課長に抱かれたなんて。課長とこれっきりなんて嫌で…。ごめんなさい」
そう謝るエミが
どんな顔をしているのかは分からない
「何も…なかった?」
もう意味が分からない
だって、エミの体に俺が付けたであろう赤い印だってこの目で確かに見た
だから俺は記憶がない自分を…
「あの痕は…その…別の人が…。まだ消えていなかっただけです」
「………」
その続きを待った
「謝らなければいけないことがあります」
「………」
まだ何か、美咲に言ったことがあるんだろうか
「……あの日。歓迎会の後…」
思い出したくもない、記憶がないにしても俺が美咲を裏切ったあの夜のこと
「………何もなかったんです」
…………は?
「……嘘なんです。課長に抱かれたなんて。課長とこれっきりなんて嫌で…。ごめんなさい」
そう謝るエミが
どんな顔をしているのかは分からない
「何も…なかった?」
もう意味が分からない
だって、エミの体に俺が付けたであろう赤い印だってこの目で確かに見た
だから俺は記憶がない自分を…
「あの痕は…その…別の人が…。まだ消えていなかっただけです」
「………」