イタズラな運命。
「…早瀬っ!」
「………ん」
「お前はまた授業中に寝てただろっ!」
数学の教科書を持った先生が俺の目の前に立っている。
「あー…すみません。今日も朝練があったんで、あまり寝てないんですよ」
「…お前は…。部活もいいが、勉強もしっかりしろよ?」
そう言い、授業を再開し始めた。
ふぁー…と欠伸をすると、隣りから「クスッ」と言う笑い声が聞こえる。
その笑い声の持ち主は……。
「…大翔、また怒られてる」
「…笑うなよ。杏」
愛しい杏だった…。