イタズラな運命。
私の隣りにはケンちゃんが座って心配そうに私の顔を覗く。
「………どうした?大翔と一緒じゃなかったの?」
「………ケンちゃんは花火大会のこと、栞から聞いた…?」
「聞いたぜ。杏菜ちゃん、浴衣着てくれるんだろ?可愛いだろうなぁー」
ケンちゃんは笑顔で言ってくれて、嬉しかった。
「優しいね…ケンちゃんは…。大翔は、そんなこと言ってくれなんだよね…」
「それで泣いてたの?」
「…………」
私は小さく頷いた。