イタズラな運命。
ケンはそう言い、俺の目の前に立つ。
「はぁ…?なんで…」
「大翔、杏菜ちゃんに酷いこと言っただろ…?」
ケンは低い声で、怒っている様子。
杏に酷いことを言った…?この俺が…?
ただ、さっきは花火大会の話をしていて…。
それで……。
“何色の浴衣が良いと思うかな?”
照れながら、そう言った杏を思い出した。
「……浴衣……」
「そうだよ。大翔さぁ…もっと、杏菜ちゃんの気持ち考えなよ」