〜LOVE*スピリット〜






「お前さぁ、ずっと昔…
仕事を始めたばっかの時
すっげぇタチの悪い妖怪に襲われたの覚えてるか?」




「え???」





「まだお前らちっさいからさ、俺も着いて行ってたんだよなぁ。」





そんなことあったっけ…?





「で、俺が目ぇ離したスキにお前襲われててよー。

あん時は本気で焦ったぜ。」





懐かしそうに笑いながら話す風哉くん。




「お前はそんなたいしたケガじゃなかったけど、ちょっと足切ってさ。

そん時、ちょうど颯悸もその場に居合わせてたんだよ。」





あ…



なんかそんな事あったかも…






「お前と一緒にいた颯悸はなんも出来なくて。

妖怪はさっさと逃げちまうし。
お前はケガして泣いてるし。」






…そうだ。




まだ小学校3年生くらいの時のこと。





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