〜LOVE*スピリット〜






あの言葉。





…あの約束。








まだ、覚えてくれてたんだ。








「まぁ、そーいう事。
なっ?
しょーもないだろ?」




「ほんっと………」




笑って話す風哉くんに、あたしも思わず笑みがこぼれる。







「…さてと。
んじゃ、俺は帰るわ。
また明日な。」




「あっ、うん。気をつけてね。」





見送ろうと立ち上がった時、玄関を開けた風哉くんが立ち止まった。





「…あいつなら今頃、俺の出した課題に苦しんでるだろーよ。」





少しこっちを振り返り、はにかみながらそう言った。






「…行ってくるっ!!!」





それを聞いた途端、あたしも走り出した。






「風哉くん!!ありがとっ!!!!!」






あたしがそう言うと、風哉くんは背を向けて手を上げながら、去っていった。










"昼間は怒鳴ってごめんね。"






…なーんて、面と向かって言えないけど。






"ありがとう"ぐらいはちゃんと伝えたい。







心配してくれて、ありがとう。








約束…



覚えていてくれて、ありがとう。








あたしは心の中でそう言いながら
颯悸のもとへと走った。





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