〜LOVE*スピリット〜
《…そぅだっ…!!!!お前達人間がっ…………!!!
…ゎ…私の…この家をっ………!!!》
…大丈夫よ。
あたし達はそんな悪い人間じゃないわ。
《…う…嘘を…つくなあっ!!!!!》
…本当よ。
あたし達がまた、あなたの新しい家を探してあげる。
また悪い人間に荒らされないように、守ってあげるわ。
だから、怒りをおさめて。
狐の元へとたどり着き、あたしはゆっくりと抱き締めた。
邪悪な気を放っているため、体中が焼けるように痛い。
だけど、あたし達人間のせいでこんなことになってしまったんだ。
…救いたい。
そう強く願った時、フッと邪悪な気が弱まり、少し抵抗していた狐も大人しくなった。
《………本当に…家……を探して…くれるのか……?》
さらに強く抱き締めて、あたしは言った。
「…あたし達を信じて。」
すると、抱き締めていた狐がスーッと輝きだす。
《…ぁ…りがと…う。》
そう聞こえたと思えば、眩しい程に輝いてあたしの腕の中から消えた。
そして、消えた途端にあたしの膝の上にコロンと小さな丸い石が落ちてきた。
きっとあの狐だろう。
早く新しい社を探して、この石を置いてあげないと。
…ありがとうね。
石を握りしめて、あたしはそう心の中で呟いた。