〜LOVE*スピリット〜
「…本当に空っぽだね。」
社の中にいても、何も妖気を感じない。
「みたいだな。さすがおばさん。」
感心してる颯悸の隣で、あたしはスカートのポケットから丸い石を取り出した。
「ここでいいよね。」
そう呟きながら、神棚の上に静かに置いた。
そして、スッと目を閉じて手を合わせた。
(…遅くなってごめんね。
あなたの新しい家よ。
ここなら大丈夫だから安心して。
あなたを追い出す人間もいない。
だから…これからはこの神社の新しい神様として、ここを守ってね。)
心の中でそう言って、あたしはゆっくりと目を開いた。