千景くんは幼なじみ
そりゃあ、ハッキリ言わなかった私も悪いけど。

寿太郎くんをチラと見ると、パッと目を逸らされる。

あら。

恥ずかしがり屋さんだねー。

いや、違うか。私を避けてるのか…。






「穂積~、違うの。あのね、あれは…」

「わーってる!寿太郎に彼女がいるから気にしてんだろ?」

いえ、違うし。

彼女いよーが、全然カンケーないし、どうでもいい。




穂積は寿太郎くんの頭に軽くチョップを入れる。

「あの子イマイチだな~。寿太郎、別れな」

…はあ!?

穂積、いきなり何を。

寿太郎くんもビビッてる。

「穂積にカンケーねぇだろ…」

「どうせコクられてとりあえずオッケーした口だろ?結愛にしな」

いっ?

ちょっとぉ…

穂積、何なの?





「なー、結構可愛くね?」

穂積に肩を掴まれ、ずいっと寿太郎くんの目の前に突き出される。

うぉっ…

どあっぷぅー!






ちょっとぉ、よけてよぉ…。

寿太郎くんは門を背に、唇噛み締めて固まっていた。







「ちょっと、穂積…。寿太郎くんビビッてる~!」

「いーの、いーの。何ならこのままキスでもしてみる?」

ドンッ

…え。




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