千景くんは幼なじみ
穂積に強く背中を押された。

思わず俯き、ギリギリセーフ。

でも、体は寿太郎くんの胸に少し倒れ込む。





危なかったぁ~。

な…何すんのぉっ!?






寿太郎くんの胸に軽く手をつき、体を起こした。

寿太郎くんも…だらしなく門にもたれてるから、私と同じ位置に顔があるんだよ?

ちゃんと立ってよぉ…。

余計な所にも腹が立ってくる。






「…ごめん」

え?

心ではそう思ってたものの、意外にも寿太郎くんに謝られてしまった。

「何で謝るの?」

「いや…だって、オレがよけなかったから…」

寿太郎くん、今度は頬がピンク。





全く顔色変わらない、ちーちゃんとは、えらい違いだなぁ…。

ちーちゃんにも、もっとこういう表情をして欲しい。





「謝るぐらいなら、よけてよ…」

「だから、ごめん」

寿太郎くんはこういう子なんだろうな。

…どうしたらいいかわからないみたいで、バツ悪そうに頭をかいていた。

…何よ。

こんなの、私がイジメてるみたいじゃん。




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