千景くんは幼なじみ
そんな事を思っていたら、穂積が寿太郎くんを指差して言う。

「試合前から戦いは始まってんだよ~!」

「いや、だからって…そんなん関係ねぇじゃん」

「うるせっ。千景くんが正しーんだ!」




穂積と寿太郎くん、言い合いしながらも…そのうちまた別の話題で盛り上がっていた。

結局は、仲良いよね。

羨ましいなぁ~、兄弟が。

うちは一人っこだからね。兄弟欲しかったぁー。

ちーちゃんトコもだから。

だから、お母さんたちは…

私たちを見て、自分の子供が二人いるみたい…ってよく言ってるっけ。







「結愛の部屋見せてー」

突然、穂積が立ち上がる。

「私の部屋ぁ?えー…と」

寿太郎くん、も?

恥ずかしいから、男の子には見せたくないなぁー。

あ、ちーちゃんは別だからね。




察したのか、寿太郎くんは首を振った。

「オレ、ここにいる…」

気のきく子だわ~。やっぱ性格いいよね。

ちーちゃんの逆恨みで、寿太郎くんいい迷惑だよねっ。

「じゃ、しばらくここにいてね」

「はいはーい」

寿太郎くんはそう言って、テレビに視線を向けた。





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