千景くんは幼なじみ
いいよ、いーけど。

何でいきなりそーくる?





思わず、ビビった顔で寿太郎くんを見つめてしまう。

そしたら、寿太郎くんはカーッと顔を赤らめ、私の携帯を指差した。

「あ…あのさ、良かったら…それ、赤外線で」

え。






もー、びっくりだよ。

恐るべし、この姉弟。





積極的過ぎなんだけどーっ。






人見知りなくせして、慣れたらこーいうのは全然ヘーキなワケ?







「い…いーよ。でも、穂積のアレを…本気にしないでね?私、本当に寿太郎くんのコト、何とも思ってないからぁ」

後ずさりしつつ、愛想笑い。

友達としてなら、全然構わない。

でも、そういう対象には…見られたくない。





「あはは…大丈夫だって。本気にっていうか、違う方が嬉しーんだ。

いつも野球で寄ってくるコしか知んないし、結愛だったら…普通に友達になれっかなーって思って」








あぁ…

何て痛々しいんだろう。

あ、違うか。

こういう時は、初々しい?




寿太郎くんって…

ピュアだなぁー。





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