千景くんは幼なじみ
私が黙ってるもんだから、ちーちゃんは諦めたのか、そこでその話をするのをやめた。

「もっかい目ぇつぶって」

ちーちゃんの暖かい指が私に触れる。

また…キスされちゃう?

ドキドキしながら、

目を閉じた。







そした

…ら。







「結愛…」

うわぁっ…何!?

突然ちーちゃんの囁きが、耳のそばで聞こえてきた。

息がかかり、すっごくこそばゆい。

「やだーっ!」

パチン!

驚いたのと、恥ずかしいのが合わさって…勢い余って、ちーちゃんの頬を平手で叩いてしまった。

「痛ーっ!」

顔をしかめ、手で頬を押さえているちーちゃんと目が合う。

「ごっ…ごめん!だって、そんな事するなんて思わないしぃ…」

「おまえなぁ。んな事ぐらいでいちいちオレ叩いてたら、これからどーすんの?」

「…へ?これからってぇ」

「これからじゃん。そりゃ…するぞ?」

ハイ?…何を。

何となく言いたい事はわかります。

でも…ね。

私はそういうのじゃなくって、もっとちーちゃんとの時間を楽しみたいんだよ?

びびってる私に、ちーちゃんは追い討ちをかけた。





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