千景くんは幼なじみ
「だよね?もー、ごめんねっ。千景くんには…言っとくからぁ」

「結愛ちゃん、しっかり千景くん捕まえとかないと…逃げられちゃうよ?」

「えっ、あ…あぁ、あはは」

逃げられちゃうどころか、まだ捕獲さえ…してないんですけどぉ。




苦笑いをする私に、和奏くんはもう一つ付け加えた。

「オレ、千景くんに仕返ししなきゃー。…穂積はオトコなんかじゃないのにね。あ、結愛ちゃんには危害加えないから安心してねっ」

え。

今、何て?

ニコニコ笑顔の和奏くんの口から飛び出た、意外な言葉に、

私の頭は真っ白になる。






「さーて、穂積も行っちゃったし、一緒に教室まで行く?」

「うん。え…と。千景くんに仕返しって…何?」

「ほへっ?結愛ちゃんに言ったら千景くんへの仕返しになんないじゃん。秘密~。…そのうち、わかるから待っててねっ」

和奏くんはそう言って、靴箱へ歩き出す。

< 146 / 460 >

この作品をシェア

pagetop