千景くんは幼なじみ
和奏くんが、横から私をクイクイ引っ張る。

「あー!千景くんめーっけ」

うわ、ホントだ。

昨日と同じタイミングで、靴箱へ近寄ってくるちーちゃん。




今日は…ギターを抱えていた。

うわ、マジで軽音入るのぉ?

私たちのそばまで来ると…チラと私の方を見る。




昨日の今日で、言葉が交わしづらい。

サッと目を逸らすと、和奏くんが私の腕をギュッと握ってきた。

「結愛ちゃん、千景くんと何か喋ればっ?」

「えっ?い、いいよ」

慌てて和奏くんの言葉に首を振る。

特に話す事もないし…ね。




そーだよ。

何話せばいい?

昨日は何だったの、って怒る?




私が戸惑っていると、穂積がやって来た。

「千景くん!」

うわ…もう見つかったぁ!

和奏くんを見ると、微妙な表情で穂積を見ている。





「千景く~ん!昨日は黙って帰ってごめんね」

穂積は、笑顔でちーちゃんに歩み寄っていく。

それを見ていたちーちゃん。

…またしても、

爆弾を、投下した…。





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