千景くんは幼なじみ
全てはモテる為?
「えーっと…このクラスかな」
ちーちゃんに渡されたギターを、瀬尾さんとやらに返しに来た。
クラスの子に聞いたら、3組だっていう。
同じ学年に瀬尾くんなんていたっけ?
でも、どっかで聞いた名前だなーなんて、思っていた。
「結愛、友達が廊下にいたから呼んでもらったー。瀬尾を」
今はもちろん、穂積も一緒だよ。ギターを持ってるのは、穂積。
瀬尾…
どこで聞いたっけ。
首を傾げていると、教室の中から男子が一人こっちに歩いて来た。
「よー。里田、オレに何か用?」
これがちーちゃんの言う、瀬尾さん。
…あれ。もしかして、ちーちゃんの野球部の先輩?
瀬尾くんをじっと見ていると、目が合った。
「あ、初めまして!」
え。
瀬尾くん、私を見て軽く笑顔になる。
私も慌てて軽くおじぎをした。
「瀬尾~っ。呼んだのは結愛じゃなくて、私だから。ハイ、ギター返す」
穂積はぶっきらぼうに瀬尾くんにギターを突きつけた。