千景くんは幼なじみ
「あっれ。これ千景に貸したヤツ…。あぁ、代わりに返しといてって?相変わらず、礼儀を知らねぇヤツだなー」

瀬尾くん、ギターを受け取り苦笑い。


この人…

ちーちゃんが言ってた、私を可愛いって言ってくれてた人だよね。

たしか、瀬尾って名前だった。


「で?里田が何で千景に貸したコレ持ってんの」

瀬尾くんは穂積と顔見知りなんだね。去年も、私と穂積は同じクラスだったけど…瀬尾くんとどこで知り合ったんだろー。

「今朝預かった。ところでさー、千景くんて、軽音入んねぇつってたけど。頑張って勧誘しろよー。私も入ってやるから」

穂積の言葉にますます苦笑いの彼。

「は?里田が?冗談キツッ!ならオレがやめるね」

「何ーっ!?」

穂積、今にも瀬尾くんに飛びかかりそうな勢いで叫んでる。

瀬尾くん。可もなく不可もなく。悪ぶってる感じもなく、チャラくもない。

爽やかな好青年。最近会った中で、一番マトモかもしんない。

そんな二人のやり取りを見ていると、瀬尾くんが私に話しかけてきた。

< 154 / 460 >

この作品をシェア

pagetop