千景くんは幼なじみ
もしかして、瀬尾くんいたりして。

私と瀬尾くんを引き合わせよー…とか?

だったら、走って逃げよ。




そんな事を考えながら裏庭に行くと、

そこにいるのはカップルだけ。

…うーん、うーん。

何?

これを見ろって?




そうだ、忘れてたよ。

昼休みの裏庭は、カップルの定位置なんだ。

今まで自分には関係ない場所だったから、すっかり忘れてた。

ちーちゃん…ここに誰かといたりして?

それを見ろってコト?

嫌~な気分になりつつ、裏庭に入りきれず、立ち往生。

そしたら、ちーちゃんの声がした。

「結愛っ」







声が聞こえた方を向くと、部室が並ぶ建物の壁に、ちーちゃんが寄っかかっていた。

裏庭には入らず、そんなトコにいるなら…早く言ってよねぇ。

数メートル歩き、部室の方へ歩いて行くと、ちーちゃんが手を伸ばす。

「結愛~、こっち」

え…?

ちーちゃんに手を引かれ、部室の裏に引っ張って行かれる。

こんなに自然に手ぇなんか繋いじゃって…何なんだろー。

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