千景くんは幼なじみ
「ねー、あれファーストキス?」

へっ?

突然そんな声が聞こえる。

右手を見ると、すぐそばにある廊下側の窓から、和奏くんが顔を出していた。

「初めてじゃないってば…」

そう言ってから、我に返る。

ちょっと待った!

いつ見たのっ?てか、アレ見てたの~?

「そっかぁ~、結愛ちゃんあるんだぁ」

フフって笑う和奏くん。

「和奏くん、どーしてっ…どこにいたの?まさか裏庭」

穂積がいないか思わず確認してしまう。

キョロキョロしてると、和奏くんは窓枠から身を乗り出し、教室に入って来た。

「違ーう。裏庭に行くワケないじゃん。彼女いないのに。フリーなのに行くのは…結愛ちゃんぐらいだよー?あ、千景くんとね」

ぎゃー…やっぱり、しっかり見られてるっ。

「どこから見てたのぉ!?」

「んー。ちょーど、部室にいたんだよねぇ。穂積にジャージ借りよーと思って。ハンド部の部室にいた。

出ようと思ったらさ、面白いモノ目撃したんだよね」

和奏くんは、目を輝かせワクワクした表情をしている。

聞いてる私は全然楽しくないんですケドーっ。


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