千景くんは幼なじみ
「…穂積はさ、絶対人前では泣かないんだよね。

昼休み、結愛ちゃんがランチ一人で行ったからさ。話あるって、オレ呼ばれてぇ。

何だろなって思ったら、昨日に引き続き…また泣かれちゃった」

あっ、泣くのはオレの前限定なんだけどねって、和奏くんは付け加える。

「そ…なんだ。泣いてたんだ…」

泣く、穂積を全く想像できない。

でも…和奏くんの前では、ちーちゃんに恋するただの女の子なんだね。

精いっぱい可愛くして行ったその日に

好きな人に、オカマなんて言われたら傷つくよね。

あの時穂積はヘーキな顔してたケド、心では泣いてたんだ…。







「でさ、ひとつソーダン。結愛ちゃん、千景くんちょっと懲らしめてみない?」

「えっ」

和奏くんの指が止まる。

「さっき…。千景くんやたら結愛ちゃんに彼氏ができたかどーか気にしてたじゃん。

…アレってー、一種の独占欲だと思うんだよねぇ」

…そーなの?

そう言えば、穂積を男と勘違いした時も…彼氏できた?って、聞かれたっけ。




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