千景くんは幼なじみ
ロックオン
昼休みが終わる前に、和奏くんは教室を出て行った。

少し経ち…入れ替わりに穂積が教室に戻ってくる。






…少し腫れたような目で、ハンカチで何度も鼻を拭いていた。

和奏くんがいうように

ホントに泣いてたんだね。






クラスの子たちと、体育館にいたワケでもなかったんだ。

「結愛!学食混んでたぁ?」

穂積はハンカチをポッケに押し込み、私の方へ歩いてくる。

「う…うん、混んでたぁ」

その後、最悪だったんだけどね。でも、言えない。

「そっかー。あ!学食近くで和奏見なかった?私のジャージ取りに部室まで行ってたけどな…」

「え…えっ?わっ…かなクン?見てないな~」

その名前を聞いただけで、ドキドキするっ。

タッグ…

組んだんだよね。

これは穂積には、秘密…。






「あれ~、結愛顔赤いし。え?和奏…と何かある?」

ニヤニヤ言う穂積に、プルプル首を振る。

「ナイナイ!もぉ、すぐからかうんだからー。穂積こそ和奏くんとお似合いだよっ」

勢い任せに、そんな言葉を投げかけた。




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