千景くんは幼なじみ
ふぅ…と溜め息をつくと、和奏くんが私の背中を押す。

「行こぉっ」

「あ…、うん」

和奏くんに連れられ、いつもの通学路を一緒に歩く。

和奏くんと帰るのは…

初めて、かな。

穂積は平日大概部活だし、テスト前は穂積と帰ったりしたけど

和奏くんは別の友達と帰ってたっけ。

今日は…いいのかな?

ちょっと気になって、聞いてみた。





「和奏くん、いつも一緒に帰ってる友達は?」

「あぁ、今日はいーんだ。明日から結愛ちゃんはぁ、毎日この道通ってね?」

この道?

「何で?」

「何でってー…もう、作戦は始まってるよぉ?」

「へっ?もう…?」

和奏くんはフフっと笑い、ある場所で立ち止まった。






…うわぁ。

ここってー。






「結愛ちゃん、こっちぃ!」

和奏くんが少し興奮ぎみに私を呼んでいる。



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