千景くんは幼なじみ
団体が過ぎ去った後、和奏くんを探し目線だけをレンガの壁の曲がり角に向けた。

ちょこっとだけ顔を覗かせた和奏くんは、ニコニコ笑って手を振っていた。

あは…かわいい。

私も思わずニコッとした時、また違う団体が走って来た。





また、みんな私を見ている。

え…

何なんだろ。

走ってる人たちの足の速さが少しゆっくりめになった時、

私を呼ぶ、声がした。







「…結愛!?」

…え。誰?

目の前の団体の中の誰かが言ったんだろーけど、

みんな同じ顔に見えるっ。







立ち尽くしていると、その中から飛び出して来たのは…。






「寿太郎くんっ!?」

うわ、ちょっと嫌な予感したんだ。

和奏くんが言う、私の彼氏候補ってぇ…。

「えー、ど…どーしたん?何でうちの学校いんの」

寿太郎くんは不思議そうに私の前に立つ。

えーと。何て言えば。

和奏くんに連れられて…とか、言っちゃダメだよねぇ?


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