千景くんは幼なじみ
「この学校、出てたんだよ。だからこーやって毎日見に来る子もいるしさぁ。

そういうチームが夏の甲子園に行って、活躍する姿見たくない?」

え…と。

それはそれですごいと思うよ。だけど、ちーちゃんがこの中にいるワケじゃないしぃ。

口ごもってると、和奏くんは私に背を向けグラウンドを見る。

「オレさぁ、千景くんが通ってた生田中学と…この磐田の中等部との試合、穂積と一緒に見に行ってたんだよね」

「そ…うなんだ?」

穂積がちーちゃんを見た、あの日の事かな?

帽子取った姿を見ても、カッコ良かったっていう、あの日。




「千景くん、野球やっててすごく楽しそうだったよ。

結局磐田に負けたけどさ、試合終わった後…千景くんの方から寿太郎に話しかけてたし」

…そおなんだ。

ちーちゃん、やっぱり野球…好きだったんだね。


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