千景くんは幼なじみ
練習試合とナンパ待ち
そんなこんなで、いつの間にかランニングを終えた寿太郎くんたち、一年生組が戻ってくる。

固まった女の子たちとは離れた場所にいるから、

多分寿太郎くんは、私がいるのには気づいてないと思う。

遠巻きに見ていると、野球部メンバーはいくつかのグループに分かれて、練習を始める。

寿太郎くんは、私から更に遠い場所へ。

…私、何の為にここにいるんだろ。

ふと、そう思った。







どうせなら、もうちょっと近くでキチンと見たいかも。

女の子たちは怖いけど、

近寄ってみよーか。






恐る恐る、練習がもっとちゃんと見える位置まで歩いて行く。

やっぱり?

その中の数人の女の子に、ジロッと見られた。

怖ぁー。

私にはちゃんとスキな人がいるからね。これは…違うの。

って、口には出さず彼女たちに心の中で訴えかけた。

見られても、目を逸らさなかったせいか…

その内の一人が、私に近づいて来た。




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