千景くんは幼なじみ
「まさかと思ったんだけど、聞いたら嵯峨野先輩の彼女と一緒にミーティング行ったって言うしー…。ホントにいたからびっくりした…」

寿太郎くんは私の隣で苦笑していた。

…笑い事じゃないよぉ。

しかも、あの女子トークを寿太郎くんまでがミーティングっていうんだ。

何のミーティングでもないし。

ただの暇つぶし会じゃん。





「あれ?なぁんか…元気ないよな。やっぱ、疲れた?」

「ううん。もう帰る所だったし…大丈夫」

カバンがね、人質だったの。やっと返してもらえたけどね。

まさかキャプテン嵯峨野の彼女が、そんな仕打ちを私にやってたとは

今あんなにブリブリしている彼女の顔を潰すようで

…とてもじゃないけど、寿太郎くんには言えない。





「嵯峨野先輩の彼女と仲良くなったんだなー。彼女、いー人だよ」

え…。そぉ?

微妙だぁ。

まぁ、寿太郎くんは面食いだっていうし。

彼女、性格はどーかと思うけど、確かに顔はキレイ。

それに、寿太郎くんも、先輩の彼女を悪く言えないもんね。




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