千景くんは幼なじみ
「ねぇー。いつもこんな感じ?」

「…へ?」

私の問いかけに、キョトンとする寿太郎くん。

「何か…合コンまがいな…この雰囲気」

ボソッと言うと、寿太郎くんは吹き出してる。

「…だよなぁ。嵯峨野先輩の彼女がさ、お願いしたみたいでー。

オレら普段あんま相手できねぇし、早くあがれそーな日は、こーやって帰りに待ち合わせしてんの。

あ、オレは今日たまたま…」

「…本当にぃ?寿太郎くんはおいしいエサじゃないの?」

「…エサ?」

「寿太郎くんが来るってなったら、カワイイ女の子も応援に来るかもしんないし」

「アハハ、結愛が嫌ならオレ今度から断るよ?」

え…別に私は関係ないもん。寿太郎くんが、他の女の子と話そーが…。

思わず返事に困ってると、寿太郎くんは咳払いを始めた。

「…げほっ。いや…そぉじゃないか。ゴメン、調子にのった…」

ショボンとしてしまい…

静かで暗い帰り道…私たち二人だけが、会話もなくしーんと静まり返る。


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