千景くんは幼なじみ
私の所へ戻って来ると、ニコニコ笑顔で私の背中を軽く押した。

「こっからは、二人で帰ろ」

あれ、そーなの?

戸惑う私の背中を押し、寿太郎くんは先輩に挨拶をして、みんなとは違う道に歩いて行く。

寿太郎くんは、かなり先輩たちに冷やかされていた…。

私…彼女じゃないんだけどなぁー。





まるで、私がそーであるかのような送り出し方だった。

「寿太郎くん…いいの?先輩は」

「うん。どうせ今からどっかファミレスでも入るんじゃねーかな。…結愛、疲れてるだろ。早く帰してあげたいな…って思ってさ」

照れ照れ言う寿太郎くんが、すごく頼もしく思えてきた。

だって…体育会系って…先輩の命令は絶対的だっていうしぃ

あのちーちゃんだって、瀬尾さんの前ではちょっと違う気がする。

そこをスッパリ断れるんだーって思うと、

ちょっとだけ…

ちょっとだけだよ?

…キュンときた。





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