千景くんは幼なじみ
寿太郎くんに、家の前まで送ってもらった。

「…遠いのに、ごめんね。私より寿太郎くんの方が疲れてるのに」

「は?全然~。結愛と話せたし、オレ余計元気になった!」

アハハと恥ずかしそうに笑う顔が、昨日よりちょっとだけ、愛おしい。

…穂積に似てるから?

一緒にいると、何か妙な安心感があるんだよねぇ。

私もつられ、笑顔になる。

そこで、和奏くんからチョコをもらった事を思い出した。

ポケットからチョコを出す。

「寿太郎くん、チョコ食べる?」

「え、マジ!?嬉しいっ」

試合の後なのに、全く疲れを見せないその笑顔に、ガールズトークで疲れていた私の心が逆に癒やされる。

私の手から、寿太郎くんはチョコを一つつまんだ。

「それね、和奏くんからのおすそ分け」

「和奏?あぁ、和奏からのチョコ…」

寿太郎くん、何かを思い出したように一瞬ニヤッとする。

寿太郎くんにしたら珍しい表情だっただけに、ちょっと気になった。

「今、何考えた?」

って聞いてみる。



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