千景くんは幼なじみ
「何それぇ。穂積にはあんなに冷たくしといて…」

「言っていーヤツと、ダメなヤツの違いぐらいわかんだろ。結愛の友達の場合は、ハッキリ言っても傷つかねぇじゃん。

うちのクラスの女は、違うんだって。ハブられたら、たまんね~」

ちーちゃん、ニヤニヤして…全然深刻そうじゃない。

ヒドい…。

穂積だって、傷つくってば。







「いーよ、そのうち瀬尾さんにバトンタッチすっから」

「…え?」

そーなの?

「瀬尾さん、モテそーだろ?でもさ、アプローチの仕方わかんねーみたいで。

彼女らも、とりあえず彼氏欲しーみたいだし…な。オレへの気持ちからすり替えてやろーと思ってんの」

ちーちゃんは、得意げに話してる。

「そ…そんなウマくいかないんだから」

「いく」

何でそんなに自信満々なワケ?

ちーちゃんは、膝の上で何かのリズムを刻み、一人でご機嫌になってる。





「これなら…安心した?」

ニヤリと笑い、私に手を伸ばす。

…安心した、けど。

何か私、丸め込まれてる。







< 249 / 460 >

この作品をシェア

pagetop