千景くんは幼なじみ
「千景くんはこっちの柄がいいみたい。お母さん頑張って作っちゃお」

「え!?ちーちゃんの作るのぉ?」

お母さんの手には、真新しい反物が収まっている。

「そうよー。千景くんのお母さんに頼まれてね。さっき好きな柄聞いて、ちょっとお母さんに相談に行っただけなのに。

まだ千景くんに聞きたい事もあったし、もう一回お隣行って来ようかしら」

ふーん。

ちーちゃんのかぁ。

「いい柄だよね…ちーちゃんこういうの好きなんだ」

「結愛もいるなら一緒に縫うわよ」

「いらなーい。私、浴衣持ってるし」

そうね…と言うと、お母さんはまたちーちゃんちに行ってしまった。






浴衣…かぁ。

そう言えば、小6の時の

自治会の夏祭りを、ふと思い出した。










私が持ってる

ちーちゃんと一緒に写っている、一番新しい写真。






あの時も

二人で浴衣を着てたよね。




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