千景くんは幼なじみ
唇を重ねるだけのキスで…

いーよね。

いつもの苦しいキスは、嫌だし。






って言っても、これ以上ちーちゃんに顔近づけると思うだけで

緊張する…。







ギュッと目をつぶり、ちーちゃんに近づいた。

…あれ







うそ、失敗!?

ちーちゃんの鼻が私の頬にあたった。

恥ずかし過ぎる…。






当然、鬱陶しそーなちーちゃんの瞳が目に入ってくる。

「ハズすなよなぁ~、結愛フザけてんの~?」

いえ、決して…ふざけてるワケでは。





「ココ、狙えよ」

ニッと笑って自分の唇を指でピタピタたたく。

とびきり甘い視線を私に送るその表情が、あまりに妖艶で…

ドキドキしつつも

ちーちゃんの唇に…近づいた。




私が完全に唇に触れる前に、ちーちゃんの方から私の後頭部に手をしっかりあて、引き寄せられた。

強めに重ねられる唇に、頭がボーっとしてくる。




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