千景くんは幼なじみ
「千景さー、結愛ちゃん好きなんバレバレだし。野球部ではもう有名。だからみんなでからかってたんだけどな。

里田穂積が千景に猛アタックって聞いたからさ、オレがちょっと手助けしてやろーかと。

生瀬祭で里田とオレのツレがうまくいけば…千景もラッキーじゃん?」

…うわぁ。

瀬尾くん…ちーちゃんの気持ち、気付いてたんだぁ。

しかも、

めちゃくちゃイイ人っ!!

カルいなんて思ってごめんなさい。

思わず、瀬尾くんの手を取ってしまう。






「瀬尾くん、あのねっ…私たち」

「へっ?」

瀬尾くん、私にいきなり手を握られ、ちょっと動揺してる。

「私と千景くん…」

そこまで言いかけた時、穂積が教室に入って来た。








「あー、またお前!結愛に近づくなつったじゃんか」

穂積、怒りモードで私たちに近寄ってくる。

パッと瀬尾くんの手を離す私。

「じゃーさ、結愛ちゃん頼むわ」

瀬尾くんは穂積を見ると、ニヤニヤして私の肩を叩き、そそくさと教室を出て行った。





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