千景くんは幼なじみ
穂積は私との事をハッキリとみんなに言わないけど、

私がちーちゃんと付き合い始めたのは、元野球部男子がちーちゃんをからかってたり、

その同級生から部活の先輩に伝わり…

あれから、ちーちゃんと手を繋いで一緒に帰るようになったから

みんな知ってる。











「結愛~、暗っ」

ちーちゃんが私の顔を覗き込む。

明るく振る舞おうとしても、顔に出てしまう。

教室での事、穂積との事…

ちーちゃんに言ってもどうしようもないし。

私、年上だもん。こんな事でへこんでる自分をちーちゃんに見せたくない。

暗くなってる理由は言ってないけど、私の表情と態度にそれは自然と表れていたみたい。

最近、お昼もひとり。

さすがに毎日一人で学食は辛いから、お弁当を持って屋上で食べていた。

「うん…。最近学校楽しくないんだよねぇ」

あんまりしつこく暗いって言われたもんだから、思わずポロリと本音が出た。

でも、ちーちゃんがそんなの察知するワケない。

「…は?マジ。オレも~。あぁもうすぐテストだし。憂鬱」



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