千景くんは幼なじみ
家に入っていくちーちゃんを見送り、自分も家に入った。

…穂積の機嫌は、いつなおるのかな。

学校に行く楽しみは、穂積や友達に会う事だったのに。

ちーちゃんと引き換えに…友達を全員奪われた気分だよ…。







「ふー…」

また、ため息。

あ~ぁ。

ちーちゃんから、穂積に直接言ってもらおうか。

和奏くんは廊下ですれ違って、目が合っても話しかけて来ない。

だよね。

だって和奏くんの忠告を聞かなかったのは私だもん。

今、私をかばったら穂積に嫌われるだろうし…。

自分で何とかしなくちゃー。

あぁ嫌だ。









ガラ

「あ、そんな無防備な格好してっと…ヤバい」

着替える気力もなく、自分の部屋に入った途端

制服のままベッドに寝転がって、枕を抱きしめていた。

いつものように、窓からやって来たちーちゃんは、私の部屋に入りベッドに上がってくる。

「ちょ…っと」

「…なぁ、もういいよな?」

「…えっ…やだ」

ちーちゃんは、私の背中にいきなり抱きついてきた。




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