千景くんは幼なじみ
「…やだ?」

ちーちゃんは、後ろから私の首に息を吹きかけてくる。

吐息まじりの声に、体が熱くなった。







でも…

何か今はそんな気分じゃない。

ちーちゃんと手を繋いでても、抱きしめられても…

浮かぶのは学校での自分。

また同じような明日がしばらく続くのかと思うと、ウンザリ。

「…やめて」








「…反応悪いな」

抱きしめられても、ポーッとならない私を見て不満げなちーちゃん。

私の正面に回ると、優しく髪をなでてくれた。





「…何かあった?言ってみろよ」

「う…ん」

やっぱり、ここはちーちゃんの力を借りようか。

年上だからっていう私の頑張りは、たった3日で折れてしまった。











事の成り行きを、ちーちゃんに話した。

穂積を裏切る形になってしまった事、言うタイミングを間違えた事。

クラスの子も穂積についてしまって、こんなはずじゃなかったのに…って、私が落ち込んでいる原因を全て話した。

和奏くんと作戦を組んだ、寿太郎くんとの事は話さなかった。





< 295 / 460 >

この作品をシェア

pagetop