千景くんは幼なじみ
それで、モヤモヤしていた私の気持ちも少し晴れた…。

胸のつかえが取れた気がした。

クラスの誰にも話せなくて、そして誰も聞いてくれそうになかった事…。







私の話を聞き終えたちーちゃんは、私をギュッと強く抱きしめてくれた。

「…何でそーいうコト、黙ってんの?そういう時こそ、オレに相談しろよ」

「だって…。私、年上だし。それに、穂積の機嫌もまたすぐ良くなるかも…って思って」

「そーいう時だけ年上ヅラすんなっての。そんな頼りになんねぇ?」

そうじゃ…ないケド。

「男の子って、女子特有のネチっこい感じとは無縁な気がして、相談しにくかったの。

それに、クラスの子にそんな態度とられてるなんて…何かカッコ悪いなーって」

「カッコ悪くねーじゃん。それにしても、くだらね~な。女って怖ぇ~。しかも、あいつも一応女だったんだなっ」

深刻な話の後に、ハハハと笑うカラッとしたちーちゃんに、何だか救われた。

私も、つられて笑った。


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