千景くんは幼なじみ
しばらく黙ってたけど、やっと口を開いて出てきた言葉は。

「わかった、結愛がそんなに嫌がんなら。…もうしねー」





良かった。

変にドキドキしてくる。

嬉しいっていうのとは、少し違う。

私はちーちゃんと、甘い時間を過ごしたいけど…

それって体じゃなくって、もっと精神的な事。

一緒に帰ったり、デートしたり、こうやって私の話を聞いてくれたり、ちーちゃんの話を聞いたり。



ちーちゃんはベッドに座ったまま、ふてくされていた。

怒ってるのかなぁ。

顔を覗き込んでみる。

「…怒ってる?」

「は?怒ってねーケド?」

いや、これは怒ってるね。目合わせてくれないし。

いつも…ちーちゃんは怒っても、すぐ機嫌がなおる。

それでも今の態度は…

学校での穂積を思い出し、少し胸が苦しくなった。



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