千景くんは幼なじみ
そんな私を見て、前の席の男子が、お昼に誘ってくれたけど断った。

今まで何も口出ししてこなかった彼だけど、さすがにこの状況が目に余ったみたい。

アイツらくだらねーコトするよなって、言ってくれた。

その言葉だけで、今の私には十分だった。

声をかけてくれた。わかってくれる人がいたんだ…って。

それに、ここで彼とお昼一緒に行ったら、ますます何言われるかわかったもんじゃない。







お弁当を持って、

今日も屋上にのぼった。











お昼休みの屋上には

ほとんど人がいない。








それは、屋上があんまりキレイじゃないから。

ドラマでよく見るような広くて居心地のいい屋上でもない。

非常口の先は、何かのタンクやパイプや支柱で足の踏み場もままならない。

そこを抜けると、少しだけ広いスペースがある。

柵を目の前に、食べるお弁当。

上を見上げると、抜けるような…空。









今日が晴れてて良かったぁ。

お弁当を食べ終え、

空を仰ぐ。



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