千景くんは幼なじみ
「えっ!う、うん。それなりに…」

もう既に雲行き怪しいとか、言いたくない。

和奏くんにますます甘えちゃいそう。





「そっかぁー。結愛ちゃんにフられてからさ、寿太郎全然元気ないんだよね…」

ズキ

その名前を聞くと、胸が痛い。

「寿太郎くんに…悪い事しちゃった。あの…練習見に行った日、彼女と別れたんだよね?」

「うん。まぁねー。理由はうやむやにしたみたいだケドね。元々そんなに好きじゃなかったし、いいんじゃないの?」

フフっと笑う和奏くん。

「でもでも…」

寿太郎くんにもらったメールを思い出す。

冷たいメール。

ううん、おめでとうって書いてあったし…寿太郎くんなりに私の事を色々考えて送ってくれた、あったかいメールだったのかも。

絵文字がないと、文章だけでは自分の気持ちをメールに託すのは難しいよね。

文章が短いと余計。内容は、場合によっては読み手の気分にも左右される。

だから…

寿太郎くんはメールが苦手なのかな。









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