千景くんは幼なじみ
「他人事みたいに言うなって!ワタルが悪いんだろ」

「ハイハイ、あんぐらいしねぇと千景はいつまでも一人だと思ってな?」

「ヨケーなお世話だっつの。ま、その話はいーからさ。

な、お前さぁいつもオンナとどこ遊び行ってんの?」

そうそう、

オレは今日コイツにこれを聞きに来たんだった。

話が脱線し、危うく本題を忘れそうになる。




「どこ…。いや、適当」

その適当を聞きたい!

「なぁ…デートしたいって言われた。オレ全然浮かばねー」

中学ん時は毎日部活だったし、学校帰りは真っ直ぐ帰るか、ツレんトコか、ゲーセン。

女が喜ぶような場所が、この近所には全くない。

結愛はどっか行きたがってるみたいだけどな…。

「そりゃ、人気のない駅のトイレとか…。あ、カラオケはカメラあるからな?キスだけにしとけよ」

だよな、これはコイツに相談すんじゃなかった。

普段見慣れた近場で、結愛が行って楽しい場所なんかあるか?

…浮かばねーな。

しかも、近所彷徨いてたら、お互いの親にどっかで会いそうだし。

見られたら、死ぬまで冷やかされそーでコワい。

特に、うちの親。




< 320 / 460 >

この作品をシェア

pagetop