千景くんは幼なじみ
梓の目が少し潤むのがわかったのに…

私が先に泣いてしまった。








…梓を撫でたかったのは確か。

だけど、

それ以上に

私が梓に癒やされていたんだ。






だって、梓も私と同じように私の頭を撫でてくれたから。

「結愛、私もだよ!」

そして、瞳に浮かんだ涙をかき消すように

梓はニッコリと笑った。






「どしたの?結愛、泣かないでぇ」

「ごめーん。梓の…前に好きだった人との事考えたら…涙出てきちゃった」

でも、

それだけじゃない。








一人だって

寂しくないって思ってた。





でも…

本当は

いつも孤独で、すごく寂しかった。






この数日間で…

友達と喋るのがこんなに楽しくて、安心できるんだっていう事に

改めて気付かされた。









こんな時に知り合えたのが

…梓で

良かった。





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