千景くんは幼なじみ

「…あはは、ヤダなぁ。恋愛話するキャラじゃないよ？私ぃ」

「聞きたいよ～。梓の事、もっともっと知りたい！でも、言いにくかったら…いいからね」

一応梓に気を遣ったけど、本音は聞きたくて仕方がなかった。

梓の話をたくさん聞いて…

もっと近付きたい。

…変だよね。

あんなに好きでそばにいたかったちーちゃんといるよりも、

梓と一緒にいる方が

何倍も、楽しい。






梓は観念したのか、フフっと笑うと自分のつま先を見つめながら、話し出した。

「…驚かない？」

「うん…」

驚かないって前置きをされても、驚かない自信はない。

でも、驚かないようにしようと思って

梓の言葉を待っていた。

「ナンパだったんだー」

「…え？」





梓の意外な言葉に、やっぱり驚いてしまった私。

「ほら～、驚いた！でも、いいよ。逆の立場なら、私も驚く。

結愛のそーいう素直な所も、好きだからっ」

そう言って梓は、彼との馴れ初めを話し出した。