千景くんは幼なじみ
運命のナンパ

「去年…高一の夏にね、友達と花火大会に行ったんだよね」

「うん…」

「そこで、ナンパされた。こっちは女三人で、相手も三人。

みんなイケメンでね!思わず、どれにしよーかって思ってる自分がいたの」

そう言って梓はフフっと笑う。

「梓、イケメン好きなんだー?」

「何言ってんの!結愛もでしょ?」

「私の話はいいからぁ~。ね、それで?」

「えっとね…。初めにイイナと思った子が、私の隣に来たの」

梓の好きなタイプだから、笑顔かわいい系?

どんな子かな?って想像しながら聞いてみる。

「年下って事は…相手中学生だったんだよね?」

「騙されたけどねー。初めは高校生だって、言ってたもん」

「へぇ。でも梓としては、ラッキー?」

「まぁね。それは後で聞いたんだけど。

…途中で抜けよーって言うから、みんなからわざとはぐれたんだ」

ドキ

積極的な彼だったんだね。

「で、その子と?」

そしたら梓は、照れくさそうにハニカんだ。

「その日はね、二人で最後まで花火見て…色んな話をしたんだ。ほんと、友達としてね。お互い何となく気が合ったから」


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