千景くんは幼なじみ
「ん。空けてっから、大丈夫」

「うん、ありがとー。あのね、誰かもう一人友達を連れて来て欲しいんだけど…」

私がそこまで言うと、ちーちゃんは。



「…二人が嫌?なら別に無理に行く必要ねーじゃん」

は?

誰もそんな事言ってないし!

今まで溜まってた物を、吐き出すかのようにちーちゃんは喋り続けた。




「お前さー、オレといても全然楽しそーじゃねぇし。言いたい事あんならハッキリ言えよなぁ?

生瀬祭だって、約束してたから行くけど…嫌々ならこっちだって、気分わりー」

「そうじゃないよ!友達に、誰か紹介して欲しくて…」

「ふーん。そんなん別に明日にこだわる必要なくね?友達を理由にしてるだけだろ」

…図星。

梓を理由に、

私…ちーちゃんとずっと二人きりなのを、避けようとしてる。






「もぉさー。オレ、限界。結愛といると、息が詰まる」

ひどっ…。







「お前なんか、嫌い」

う…。

そう…なんだ。






泣きたいけど…

これも、自分のせい。




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