千景くんは幼なじみ
あれ…?

怒ってるかと思ったちーちゃんは、目の前で口端に笑みを浮かべて、また言葉を発する。

「バカだし、ムカつく…」

そして、私の顔を覗き込む。







「こんだけ言われて、何か言うコトねぇの?」

え…と。

反撃したいけど、

ちーちゃんの顔が、近すぎて。

ドキドキが止まらない。










「言ってみろよ、近寄んなって…」

うわぁ…。

ダメ。

目、閉じちゃう。








だって、ちーちゃんの目。

ドキドキする。

これ以上至近距離で、見てられ…ない。






「目、閉じんな」

瞼をグイッとこじ開けられる。

瞬間、ちーちゃん大爆笑。

「ち…ちょっとぉ?」

「いや、悪い!想像以上に…ヘンな顔だった…ひぃっ」

失礼なーっ!

「バカ!仕返ししてやるからっ」

ちーちゃんの顔に手を触れようとするけど、もちろん相手の方が私よりも腕が長いから、簡単に阻止された。

甘い雰囲気ではないけど、久々に指を絡めとられた。

「残念!オレのが、腕も足も長いし?無駄な抵抗やめろっての」


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