千景くんは幼なじみ
「えっ…そーなの?」

びっくりしたー。ちーちゃん、マジで言いそうだから、一瞬本気にしたよぉ?

「そ。また浮かない顔してた」

「本当に?…ごめん」

しまった。

穂積の事考えてたからだ。

…いけないよね、

慌てて口角を上げ、唇をキュッと結ぶ。

「でもさ、きっと…オレの事じゃないんだろ?」

「え…」

ちーちゃんは、フッと笑みを消す。

「結愛、学校でまだ友達とうまくいってねーんだろ?ごめんな、オレとのせいで…」

そんな。ちーちゃんのせいじゃない。

「違うの!私がうまくできてないだけ。穂積が勝手に怒ってるってのもあるし…」

「…オレから説明しよっか?」

「うっ…ううん、いいよ」

首を横にブルブル振る。

だって、そんな事。…今更、穂積は聞き入れてくれないと思う。

説明するなら、早くして欲しかった。今更もう、そういうやり方は…遅い気がした。逆に、穂積の神経逆撫でしそうだよ。

「…そっか。なら、今日だけでも笑え?最近、学校であんま楽しそーじゃねぇし」

ドキ

どこかで、ちーちゃんに見られてた?そして…私の事、知ってたんだ。



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